from「Resident Alien」(1995)
“90sオッさん”爆誕
ハタ迷惑な”70sオッさん”
わたしは何かと70年代の音楽ばっかり勧めてくる「70sオッさん」が嫌いだった。
そういうオッさんて時代錯誤なファッションと髪型してて、今の音楽を全然聴いてなくて、ビートルズ(ギリ70sか)とかストーンズとかクイーンとかツェッペリンを超えるバンドなんかいないんだからそれだけ聴いてりゃいいとかマジでおもってんのよ。
70sオッさんと音楽の話をしたらまぁつまらないこと。視野が狭い。着てるロックTシャツのダサいことよ。お前らのせいでロックがダサくなってんだからないい加減にしろよといいたくなる。
ただの思い出補正やん
もちろん70sの音楽がダメなわけではない。わたしも好きな作品はたくさんある。オッさんの”70sが一番良かった”とかいう思い込みがイタいわけ。
本来「音楽」が好きならば、次々に新しい音楽に触れたくなるのが普通なのよ。特定の時代が一番とか決めつけてる時点でもう音楽が好きなんじゃなくてただの思い出補正やん。
って、若い頃からずっと思ってたんやけどな…
あれ…いつの間にかわたしも…
ワイもよく考えてみると90〜00年代のロックが一番心に響くんだわ。いっちゃんロックが生々しくて迫力があった時代なんだわ。
産業ハードロックの反動でリアルな音楽が求められていたのもあって、歌詞もギターもそりゃあもう等身大で、夢中になって聴いてましたよ。
やっぱ90sのロックは今と比べてスリリングやったなあと思うもの。
…あれ?これって…オレって…”90sオッさん”…!?
90sオッさんチェックリスト
もしかしてこれを読んでいるあなたも90sオッさん…?心配なった人のために90sオッさんあるあるチェックリスト作っといたしな。注意しとかなあかんで。
- ブラー対オアシスに関するウンチクを語れる
- ニルヴァーナ対パールジャムの対立の話になると熱くなる (そして「最後カートとエディは仲直りしてたんやで…」と遠い目をして語る)
- コートニーラブの男性遍歴に詳しい
- 「あーこの曲バンドでコピーしてたわぁ」とか言う
- 「この曲のギターめっちゃ簡単やで」とか言う
- 「椎名林檎はもともとアラニス・モリセットそっくりやったしなぁ」とか言う
さて、自ら90sオッさんであることをカミングアウトしたら気が楽になったわ。だから胸を張って90sの曲紹介できるわ!
グラムロックの要素を持ったSpacehog
Spacehogっていうバンド知ってまっか。 イギリス出身のメンバーがニューヨークで結成したバンドで、ジャンルとしてはオルタナ時代には珍しくグラムロックの要素を含んどったんやわ。
このバンド正直、90sオッさんのワイからしてもめちゃくちゃいいバンドってわけじゃないんや。
でもな、「In the Meantime」って曲、なかなかええんよ。ゴスっちゅーか、お化粧してる系の雰囲気を醸し出しながら、重心が低い演奏というか、芯のある演奏をしてくれるのよね。
UKとUSのいいとこどり、みたいなイメージ。
魅力はボウイ&ストテンなボーカルとベースライン
スペースホッグはボーカルがベースを弾いている珍しいバンドなわけだが、魅力はそのボーカルとベースライン。
声がまたデヴィッド・ボウイ+スコット・ウェイランドでセクシーなんだなぁ(いい過ぎ?)。低音パートやビブラートにかなりボウイの影響が伺えますな。
またギターのリフがシンプルな代わりにベースがメロディアスでリズミックなラインを描いてるのがまたニクい。いい感じにスキマを埋めてくれて、音の厚みに頼らず彩を加える。
ワイが90sを推す理由は、音が今聴いてもなんら古臭くないってところなんやな。ちゃんと迫力あるしノスタルジックでもない。スペースホッグもなんら今の音として聴けちゃうんだもの。
テクノロジー的に安定したってことなんだろうと思うが、それは90sオッさんだからなのか…まあええわ、相変わらず70sオッさんはキライやけどワイは90sオッさんを全うするつもりや!
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