ランキングって誰が順番通りに発表せなあかんて決めたんや!というわけで前回10位を発表したと思ったら次は第4位どす。
「OK Computer」にもそこそこハマるが…
レディオヘッドは確か「OK computer」が出る頃に初めて聴いたように記憶してて、「OK computer」を買ったものの、正直なところめちゃくちゃハマったという感じはなかったんですよね。
いや、そうは言っても買ってしばらくはずっと聴いてたし、「Air Bag」からの「Paranoid Android 」の流れは毎回興奮してたし、「Karma Police」や「No Surprises」なども好きだった。だから十分ハマったアルバムだったんだと思う。
圧倒的完成度「The Bends」
ただ、後追いで聴いた「The Bends」の圧倒的な完成度が全てを吹き飛ばしてしまったような気がする。
このアルバムの素晴らしい点は、繊細なトム・ヨークの声とダイナミックなバンドのアンサンブルにある。
以降のレディオヘッドは轟音ギターは鳴りをひそめ、エレクトリックな要素が強いが、このアルバムではロックファンの欲望を全て満たす極上のエンターテインメントに仕上がっている。
ロックファンが望むものの全てが揃う
ナヨナヨしたオタクっぽさ、轟音ギター、ダイナミックなグルーヴ、美しいバラード、変態的アレンジ。どこを切り取っても隙がないのだ(唯一隙があるとしたら謎のジャケットである。なんだあれは。もうちょっとなんとかならんかったのか)。
しかも、意識の高い系の通なバンドって歌唱力がイマイチな場合が多くセンスに逃げがちなところ、トムは真正面から高い歌唱力で他を圧倒している。ファルセットを多用して線が細いように見えて、オペラ唱法でとんでもない声量を発揮する。シンガーとして一流なのだ。トムはかつてジェフ・バックリーを聴いて、ファルセットを使う気になったと語っていたのを覚えている。
以降彼らが路線変更したのも無理はない。もうこれ以上の作品を作るのは不可能である。それほどの完成度なのだ。
コンパクトにまとめた点も評価
本当に全曲名曲と言えるアルバムがこの世にどれだけあるだろうか。その観点ではこれを超える作品は多分ない。どこを切り取っても自信を持って名曲だと断言できる。
しかもコンパクトにまとまっている点も特筆すべき点だ。ここまで閃きが溢れまくったら一曲くらい7分クラスの大作にしたくなるやん。
それが彼らはしないんだなぁ。もう感動で胸が震えるわ。
私が好きな曲をいくつか紹介しておきたい。ってもう無理やろ。全部頭から紹介することになるやろ。
「High and Dry」とか「Just」とか「Fake Plastic Tree」はもうええやん。誰が聴いても名曲だしあまりにも有名だから。
よって、普段あまり語られないところをピックアップしたい。
「The Bends」(曲のほう)は隠れた最高傑作
まず、タイトルトラックでもある「The Bends」は言うならば「聴いたことのないストレートなロック」である。初めて聴いたときはこれといって特徴がないように感じたが、ジワジワとこの曲のポテンシャルに気付かされた。
ギターのフレーズやカッティング、タメのアレンジ、緩急の付け方などあらゆるエンターテインメントが詰め込まれた恐るべき楽曲。2分8秒からのジェット機が通過するかのようなミュートギターに膝がガクガクするほど感動した。実は隠れた最高傑作といっても良いのではないだろうか。
サビで爆発、ポップな「Bones」
そしてこのアルバムでは軽めのポップソングのような立ち位置の「Bones」も大好き。Aメロは結構軽く流す感じで進んでいくのに急にサビで爆発するのカッコよすぎ。王道ロックンロールのリフみたいなのが入るのもめちゃくちゃ気持ちいい。 すげぇわ。オクターヴ奏法をこれでもかとひきまくるジョニーにも好感しかない。
危険なバラード「Bullet Proof 」
「Bullet Proof…I Wish I Was」、久しぶりに聴いたけど危険なほどに精神的トリップさせてくれるね。なにこのピュアでシンプルで真っ直ぐなバラード。バックで歌に絡むギターのフレーズも懐かしさと可愛さに心奪われる。絶対今ならこんなフレーズ弾いてくれないだろうなぁと感慨深い。世界観が凄いよ。
コレに張り合えるのはアレしかない
このアルバム、短いのが凄いわ。純度が高いメロディを無駄を省いて圧縮して結晶にしたのがこのアルバムだわ。
「名作」という意味でコレと張り合えるのはあの作品しかない。そう…ロリングランキング第1位のあの作品しか。
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