from 「People Move On」(1998)
御前様が唄えばよかろう?
いやぁ早いもんですね。気がつけば12月も折返し、ここ一週間程で寒さも一層増してきて、2018年もラストスパート。年内のイベントも残すはクリスっ…クっ…クリッ、ク…
ア、アカン、言えん…声帯が発声を拒絶しよる…いったい、どうすれば…
そうだ、Not Aloneを聴こう。
というわけで元SuedeのギタリストBERNARD BUTLERさん、ファーストソロアルバムPeople Move Onから屈指の名曲Not Aloneでございます。
Suede時代のデカダンで耽美な世界観は鳴りを潜め、ともすれば「なんか地味やん」となりそうな本作。
でもわかる。よーくわかる。このハートウォーミング感。地を舐め味わった者が気付き、世界へ贈る温かな眼差し…
そして件のNot Alone、地味やなどと散々申しましたがイントロから惜しみなく現れるストリングス、ツインボーカルかよと突っ込みたくなる程メロディアスなバトやんのギター。
壮大なアレンジを照れもなくやっちゃうあたりが一周まわって説得力がすんげぇの。
「じゃあ歌詞も大袈裟な事言ってんじゃないの…聞き飽きたよそういうの…」って?
フライングだぞ若人よ。位置へ着きたまえ。
その歌詞こそが真骨頂でありこの歌を名曲たらしめるのだ。今までを振り返り上手く行かぬ物事に悪態をつくバトやん。
「アイツらはなにも解っちゃいない」
「誰もオレを理解しない」
そりゃ荒むわな。どのバンドも長続きしないし
当時はメディアにもエゴイストなんて叩かれたそうだ。でも歌はこう続く。
「まぁそんな時もあるよな」
「オレだって解ろうとしなかったしな」
この枯れた境地よ。トドメはサビのI’m not alone, these dayときやがる。
「最近は孤独じゃないしな」
2番サビラストの「デェーイエイエイエイイェーーー!!」からのギターソロとかエモすぎて腰が抜けるレベル。
最近知ったのだがレコーディング中、バトやんの歌に感極まったスタッフがスタジオに入ってきて拍手を送ったとか、歌うことに抵抗のあった彼に「御前様が唄えばよかろう?」(CV:坂本真綾)と後押しした奥さんの存在など様々な逸話があり、それらを知るほどNot Aloneの意味を噛み締め、まんまと心温まってしまうthese day。
また彼の音楽で欠かせぬ日本人ドラマー、マコ・サカモト氏の力強いドラムも最高に心地よく、先述のストリングスと絡んだ時にハイハットの音がクリスマスのジングルの様にも聴こえるのがこの時期に聴きたくなる一因かも知れない。
あれ…言えた…クリスマスって…
言えたよー!!
メリークリスマス。
コメント
ドーナツさん
メリークリスマス(笑)
初めてバトやんを聴きました。
よいですね。
大袈裟なサウンドと内気そうなボーカル。
やっぱこの対比ですよね。
あー、こーゆーギター大好物っす。ツインボーカルとは上手いこと言いますなぁ~。
よんきーさん
コメントができること自体に今の今まで気付かず、お返事が遅れてしまいました…ありがとうございます!
今更ですがクークスのレビューを拝見して、まんまとハマりました笑