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【名曲だらけ】アルバム最後の曲選手権【洋楽】

Column

「最後の曲が名曲のアルバムは名盤」

オレのじっちゃんはそう言った。その法則をオレは今実感している。

なぜ最後の曲が名曲のアルバムは名盤になるのか。論理的にも説明できる。

まず、最後の曲なんてほとんど聴かれない。曲数稼ぎのためにイマイチな曲を入れてもまあ誰も気づかない。そこに力を入れるのは合理的ではない。

ビジネスを追求するならばその名曲は次のアルバムにとっておくほうが理にかなっている。だって誰も聴かないんだもの。

だが世の中には最後に名曲が収録されているアルバムがある。

何故なのか。それはアーティストが損得を超えてアートを完成させようとしたからなのだ。今自分ができる最善を尽くし全て出し切るという精神。

最後の曲に力を入れるアーティストは良い意味でバカなのだ。そんなバカなアーティストが作った作品を私たちは待ち望んでいる。

アルバムの最後の曲、みんなで聴こうやん?

と、いうわけで今回は「アルバム最後の曲選手権」と題して、アルバムの最後に収録されている名曲を特集します!

最後の曲にこだわるかどうかでアーティストの器が出ますね。
それではいってみましょー!

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Rufus Wainwright「Dinner at Eight」

理想的な「最後の曲」です。高貴なピアノの伴奏に、高貴なルーファスの歌声。そして、そこにストリングスが合流。これ以上わかりやすいエンディングがあるでしょうか。

なによりもメロディの圧倒的なパワー。どこか哀しくて、気高くて、美しい。彼の作品の中でトップクラスに好きなんですよね。ハーフオペラ歌唱法(わたしが命名)にピッタリの傑作。これで終わるアルバムが駄作で終わるはずがない。「Want One」、最高傑作です。

Dinner At Eight

Fiona Apple「I Know」

打ち込みや激しいビートが特徴的なを2nd「When the Pawn…」の中で最後に現れるピアノの弾き語り。音数を最小限に抑え、メロディのフックも少しだけ。しかし、その小さなフックがとても美しいのである。ジャジーなドラムにスモーキーな歌声。なんと贅沢な時間だろうか。

5年に1作くらいの寡作なアーティストにふさわしく、1曲の存在感が圧倒的。

Fiona Apple – I know (live @Largo)

Weezer「Butterfly」

3分弱。リヴァースの歌とアコギだけ(+バスドラ?)。自宅のベッドルームで録音したかのようなリラックスした演奏。なのにアルバム切っての美しいメロディ。バンドでやればシングルカットにふさわしいヒットソングになったのに!激情にまみれたアルバムの中で、唯一囁くように歌われています。創造力が溢れ出ていた時期だからこそなせるワザ。

Butterfly

Pavement「…And Carrot Rope」

最後の曲ってバラードが多い。それはそうなんですが、こちらは違います。楽しくてちょっと切ないPavementらしい作品。個人的にPavementの最高傑作だと信じて疑いません。

子どもと一緒に聴きたくなるウキウキ感満載の構成。Aメロ、Bメロ、サビでそれぞれ表情がガラッと変わっているのに全く違和感がないのが凄い。サビの小走り感たまんないよ。NHKみんなのうたで採用して欲しいね。一番プッシュすべき曲なのに、最後に持ってくるなんて凄い度胸だ。

Pavement – Carrot Rope (Official Video)

Joan Osborne「Lumina」

この曲知っている人少ないだろうなぁ。「One Of Us」の大ヒットで一躍有名になったジョーン・オズボーン。わたし「One Of Us」もそうだけど、アルバム自体好きだったんですよね。力強くて柔らかい声は、聴いていて心地よかった。いい曲もたくさん入っていたし。

The Hootersのメンバーがプロデュースしてるからクオリティは保証されているようなもんですけど。

乾いたアメリカンロックサウンドに満ちたアルバムの終わりに、そっと置かれた優しい歌が子守唄のように響きます。コードも2、3個しか使ってないんじゃないか。宅録のようなギターの音がとても良い。

Lumina

Third Eye Blind「God Of Wine」

この曲の素晴らしさに気づいたのはアルバムを買ってしばらくたってからでした。だって一番最後に収録されてるんだもの!ギターのアルペジオから始まって、段々と厚みを増していくサウンドがエモ的に素直で快感原則に沿っている。
静かな曲だと思ってたら叩きつけるような激しいサウンドになり、また静かに。上手い。大好き。

God of Wine

Ryan Adams「I Taught Myself How to Grow Old」

コロナ前から自宅謹慎中?のライアン。はよ出てこいや。彼はアルバム最後の曲にこだわりが強いアーティストだとにらんでいる。とっておきの曲を最後にもってくることが多い。

「I Taught Myself〜」は情感豊かなライアンの楽曲の中でも特にストレートに感情をさらけ出しているのだ。これを聴くと改めてライアンの歌のうまさを思い知らされるのよ。これは弾き語り練習したくなるわ。

I Taught Myself How To Grow Old

Bob Dylan「Shooting Star」

亡くなったロイ・オービソンに捧げた曲。ディランがたまに思いっきりわかりやすくロマンチックな曲を作る時があるけど、大抵調子良い証拠やね。王道のコード進行に負けないメロディがある時しかそういうことしないからね。アンプラグドバージョンが躍動感があってさらに良いので聴いてみてください。

ふぅ…今回はこれくらいにしといたろか…ちなみに、Lisa Loebの「Stay(I Miss You)」入れなあかんやろ!と思った方もいるでしょう。でも、あれはシングルだし誰もが知ってる名曲なので対象外としましたよ(どうでもいい)。
ほなまた!

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