from「Weezer(white album)」
デパ地下でスイーツ買うときいつも並んでる順番が曖昧でいつ自分の番が来るのかわからなくてイライラするから全国的にアレなんとかならんのかよロリング君です。
ウィーザーの魅力は一体何かと問われたら、まず楽曲が理路整然としている点である。曲の骨格も演奏もキッチリしていて、数学の問題を公式を用いて解いたときのようなスッキリさが味わえる。そのキッチリした演奏を崩し、感情を爆発させたことで伝説の名盤となったのが2nd「Pinkerton」だが、基本的に彼らの楽曲はミニマリストと呼んでもいいくらいにシンプルである。
彼らはロックの快感を構成している要素を把握して、占めている割合が大きい要素に集中しているのだ。例えば、Aメロはミュートギターでサビでミュートを解放するという強弱法が基本、ギターソロは来てほしいところで必ず登場する。歌は真っ直ぐでメロディを伝えることに主眼を置いているし、スネアとバスドラも自己主張するわけでもなく、曲の芯を掴む役割に集中している。
とにかくわたしの中でアメリカンロック代表がウィーザーで、キッチリしてる点が魅力ということである。(逆にイギリスのロックの特徴はその繊細さだろう。隙間が多く、ギターもパワーコードでガシガシいくわけではなく、オブリガード(歌メロを引き立てるサブのメロディ)的役割を果たしている。スミスとかスェードとかブラーとか)
そしてさらに素晴らしいのが、安定したリヴァース・クオモの創造力である。どのアルバムにも数曲は名曲が収録されている。曲調に大きな変化はないにも関わらず、いつも新鮮な印象を与えてくれる。固定ファンが離れないわけである。
そんな安定感もキッチリしてるウィーザーの近年の代表作と言えば…「Wind in Our Sail」っしょ。得意のギターの厚みで押すタイプの曲ではなく、アレンジもコーラスも軽やかで、サビでは大合唱必至の高揚感が魅力。
まずピアノの伴奏のおかげでタイトル通り曲に涼しい風が吹いたような軽やかさが生まれているのがイイ。アレンジとしてはピアノだけではなく、歪んだギターの爆発力とコーラスが見事なバランスを絡み合っていて、トリコである。
特に素晴らしいのがサビで、「in our sail」の「sail」を「せぇ〜っ⤴︎」ってしゃくり上げるとこよね。そしてヒップホップのような「Like Darwin On the Beagle〜♪」の独創性たるや。
メロディやアレンジだけじゃなく、歌詞も含めて勇気付けられる屈指の傑作なのだ。ちょっと落ち込んだとき、コレを聴きながら街を歩くと最強。
Apple Music:Weezer「Wind in Our Sail」
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