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The 1975「She’s American」

10s

from「I Like It When You Sleep, for You Are So Beautiful yet So Unaware of It」

シンセポップとロックの一体感

厨二かよっていうタイトルがヤバい。「I Like It When You Sleep, for You Are So Beautiful yet So Unaware of It」ってどれだけヤバいかというと仮にオレがこのタイトルでアルバムリリースしたらヤバいやろ。というヤバさである。

でも許される。ボーカルのマシュー氏がカッコええから。ナルシストであろうと関係ない。いい曲書くから。そして音作りのセンス抜群だから。

直訳した邦題はさらに恥ずかしいが、むしろ直訳して正解だった。彼らの心意気を真正面で受け止めた結果だ。

マシュー氏には努力だけでは絶対に辿り着けない生物学的な違いを感じる。スターとはこういう人のことを指すんだなぁとしみじみ思うほどのカリスマ性である。

彼らはデビュー当時から輝いていた。必殺「Chocolate 」には現代のロックに必要なものが全て詰め込まれている。

エレクトロなアレンジと人の手による演奏の融合、都会的な空気と情熱的なメロディ。言いたいことが溢れて止まらない言葉。オッさんでも夢中にさせる圧倒的な魅力がある。

そんな彼らがさらに進化したのが2nd「I Like It When You〜」である。わたしはこのアルバムがとても好きで、一時期ずーっと聴いていた。1stアルバムよりももっと自由で、曲の輪郭がくっきりして、80年代のカラフルな音色を取り入れて、本当の意味でポップスとロックの間に立っていた。

「She’s American 」はまさにアルバムを代表する名曲。シンセポップにロックの一体感を加えたパステルカラーの音色が美しい。特にドラムの音圧とタイミングが気持ちいいのよねぇ。

しかも照れがないのか素晴らしい。全力で80sサウンドを前面に押し出してくれてなんだか泣けてくるのだ。サビのメロディなんかもうa-haが演っててもおかしくないほどウキウキしてる。

「オレがやったらなんでもクールなんだよ」という自信に満ちた演奏に有無を言わせない説得力がある。マシュー氏自身がタイムリーには聴いていない頃のサウンドだから自然と取り入れられたのかもしれないが、奇をてらったわけでもなく、当たり前の顔して演奏してる。

「She’s American 」と「Lost My Head」はこのアルバムの中でもわたしにとって特別な曲で、この2曲を聴くと当時の感情や風景を鮮明に思い出す。なんかThe 1975の音を聴いてると小雨が降っているような景色が浮かぶんだよなぁ。

カッコイイし曲イイし傍若無人だし繊細な表現力もあるしスターのカリスマ性もあるなんてこの世に存在してくれて本当にありがとうございました。という話でした。

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