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Sparklehorse「More Yellow Birds」

00s

from「It’s a Wonderful Life」

ネクラの心に寄り添う暗い歌


どうも、「ネクラ業界の中でもリア充寄り」との呼び声高いロリング君です。

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ネクラの音楽はいつも心地よい


さて、ネクラの音楽ってなぜこうも心地よいのだろうか。なんて言うか「無理せんでええんやで…とりあえず一旦ボーっとしよか」的なメッセージを勝手に受け取ってしまうのは決してわたしだけではないはず。


落ち込んだときに明るい曲を聴いて気分を高める、というのは理屈的にわかりやすいが、暗いときに暗い曲を聴いて救われるというのはどういうことなのか。


多分、楽曲が自分の感情に近い旋律を描くことで、その暗い気持ちを客観視できるということなのではないか。ノートに自分の考えを書くことで気持ちが整理されるということに似ているのだと思う。


つーか、そもそもアゲアゲのEDM聴いて気分が晴れるタイプの人間ならロックなんか聴いてませんわな。

暗い気持ちを引き受けてくれるマーク・リンカス


わたしの暗い気持ちを引き受けることに関しては他を圧倒してきた孤高の天才Sparklehorseことマーク・リンカス


好きなアーティストのオススメの一曲を選べって言われて困ることはありませんか。ありますよね。わたしの場合、Sparklehorse がそれに当たる。愛着が多すぎて選べない30曲くらい候補が出てくるんじゃないか。

今日今この時点でいっちゃん好きな曲


もうそうなってくると「日によって違う」という境地に達する。なので今回ご紹介する曲は今日今この時点でいっちゃん好きな曲ということでよろしくお願いします。


この曲が収録されている「It’s a Wonderful Life」は、彼のアルバムの中で最も歌に重きを置いた作風になっている。どのアルバムも名作だが、安心して聴けるという意味の安定感(!)ではこの作品が一番だと思う。暗さも一番だけど。


まあこのアルバムもなんだかんだで名曲が多いんだけど、地味にアルバムの後ろの方に収録されている名曲っていうのがまた嬉しいのよね。それが「More Yellow Birds」。

サビのメロ力半端ない


ゆっくりとした8ビートでかつ囁くようなボーカルで作られているこのアルバムで、一際暗くて美しい楽曲が「More Yellow Birds」。ジャケットが表現したいイメージに一番近いのではないか。

More Yellow Birds (Official Video)


ストリングスが絡み合うアレンジが手作り感満載で素晴らしいのだが、注目すべきは暗いのにちゃんとサビでグッと引き込むメロディ力よ。ここがそんじょそこらの雰囲気インディバンドとは違うのだ。歌声は盛り上げる気は全くないが、メロディはきちんとハイライトを示してくれる。 ここから「Little Fat Baby」へと続く流れをわたしは愛している。

Sparklehorse – Little Fat Baby

周りの誰も共感してくれなかったスパークルホース


マーク・リンカスは、人生辛いことばかりで暗かったんだけど、同時にポップな音楽がすごく好きだったと言うことがわかる。相反するものが組み合わさった時に刺激的なものが生まれる、と言うのは世の常。


なのに良さが伝わらない。個人的な思い出を語らせてもらうと、エリオット・スミスは聴いている人は多かったのに、スパークルホースは誰も共感してくれなかった

アメリカンロックはオシャレじゃない


ニルヴァーナはみんな聴いてたのにパールジャムのファンはわたしを除いて皆無だった。 これは何かと言うと、アメリカンロックの匂いがするものはオシャレじゃないと言うことなのだよみなさん。


SparklehorseもPearl Jamもアメリカンロックのルーツがあると思うのよ。みんなそのあか抜けない雰囲気を感じ取っていたのだろう。

オシャレにとらわれると大切なモンを落とす


しかしわたしは声を大にして言いたい。「君らそんなオシャレなもんばっか選んで聴いてたら大切なモン見落とすで」と。


ただいきなり「More Yellow Birds」だとハードルが高いと思われるので、「It’s a Wonderful Life」でまず聴くべきはネクラポップの金字塔「Gold Day」である。

Sparklehorse – Gold Day


これを聴いて「お!ええやん!」て思った方は「More Yellow Birds」と「Little Fat Baby」のゴールデンコンビに挑戦してほしい。
そんな感じやわ。ほなまたな!

コメント

  1. yurix55 より:

    ロリング君。私、逆でしたわ。

    sparkle horseは今までなんとなく敬遠。
    ですが、このレビューを読んでいっちょ聴いてみよかと思い、まず難関more yellow birdsから挑戦(なんでだw)

    ふむふむ、なるほどね、なかなかえーやないの。
    しかし。続いてlittle fat baby聴いてぶっ飛びました!
    ぶっ飛んだというよりも、なんですかこの静かな感動は!
    知らぬ間に泣いてました(汗)
    Vもなんか知らんけど泣ける。

    最後にgold day聴いたんですけど、little fat…の感動は越えられませんでした。
    なんですかね?アタシ。
    そんなにネクラだったのか、とw

    • ロリング君 より:

      yurix55 さん
      いやぁ、姐さんよく分かってらっしゃる。ようこそネクラの世界へ。
      ロックンロール系を好んでいらっしゃるイメージがありましたが、スパークルホースもいけるんですね!嬉しい限りどす。
      どのアルバム聴いても名盤なので是非追求してください。
      フレーミングリップスとのコラボ「Revenge 」もヤベェっす。

  2. Hakka より:

    こんばんは、ロリング君さん。
    Sparklehorse、素晴らしいですよね。
    高校生の頃、サンダーレビューのほうで知り、以後私の人生の中で幾度も助けて貰ったアーティストになりました。

    メロディーや展開の物悲しさもさる事ながら、私が1番好きなのはドラムの諦めきった感じのビートです。

    個人的にはこれのおかげで、物凄く悲しいはずなのにノリノリになれるという奇妙な体験が味わえます笑

    そういえば、以前Lo-Fi Hiphopなるものが流行りだしたとき、真っ先に思い浮かんだアーティストがSparklehorseでした。

    懐かしさを感じるメロディや、わざとノイズを入れた演出、悲しい曲調なのにノリノリなビートだったりと、

    的外れかもしれませんが、Sparklehorseの音楽性と通ずるものがあるなあと感じ、天才はいつの世も時代を先取りしていくんだなとしみじみ思いました。

    私が聴き始めた頃、もうマークさんはこの世には居ませんでしたが、今も時偶、生きている世界線があれば、今のこの不安多い時代に、どんな音楽を創るのだろう、どんなことを歌うのだろうと、夢想してしまいます。

    そしてあの時、あのレビュー記事でこのアルバムに出会ってなかったら、そう考えると、とても感慨深いものがあります。

    とても感傷的で、取り留めのない感想になってしまいましたが、素敵なレビューをありがとうございます。ネクラ万歳!

    • ロリング君 より:

      Hakkaさん

      こちらこそステキなコメントありがとうございます!

      高校のときに出会えて幸せですね。ドラムの音は特徴的ありますよね。わざと安っぽいドラムマシーンの音使ったり、グシャグシャに潰したり。マークの美学があらわれてますよね。

      ローファイヒップホップって確かにスパークルホースのイメージに合いますね。

      わたしの記事でスパークルホースを知っていただいたなんて本当に幸せなことです。まだスパークルホースに気づいていないネクラ仲間、どんどん増やしていきましょう!笑

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