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Ryan Adams 「Hotel Chelsea Nights」

00s

from「 Love is Hell」2004

カレーにじゃがいもはマジでいらないと思うロリング君です。

男泣きの名曲を数多く生み出してきたライアンアダムスの中でも指折りの傑作がコレ。Aメロがプリンスの「Purple Rain」に似てる?もうそんな次元の低い話をしている場合ではない。”男の背中”、つまり苦しいことも悔しいことも辛いこともジッと耐えた男の生き様が浮かび上がってくる。わたしには見える。

まずタイトルが最高でしょ。ホテルチェルシーナイツ。色んなストーリーが勝手に浮かんでくる見事なタイトルに、イントロのエレピから”小雨降る中佇む寂れたモーテル”が見えてきちゃう。

世の中のイントロには2種類あって、きっちり聴かせたいメロディを持ったイントロと、メロディがあるかないかわからないセッション風の自由なイントロに分かれるが、今回は後者。正確に言えば決まったメロディと言えるのかもしれないが、アドリブ風の演奏のおかげで自然体な空気の演出に成功している。男っぽさが出た曲調にはこの「自然体」というキーワードが重要なのだ。

ザラついたサウンドに安っぽいリバーブがかかったライアンの声と、メンバーが適当に集まっていっちょやったるかっていうぐらいのラフな演奏。大きなうねりの中にメロディの芯だけが漂って、それを手探りで捉えながら歌うライアンのシンガーとしての天才性が表れている。サビで初めて輪郭がくっきりと浮かび上がり、しかも歌詞に「Christmas Lights」というパワーワード登場。

アメリカンロック特有のラフさとライアンの繊細さが同居している唯一無二の空間にもう夢中。一人の夜に聴いたら間違いなく今までの人生振り返ってまうわ。バラードなのに何回聴いても飽きません。

2004年に発表されたこのアルバム、当初は二枚に分かれてEPとしてリリースされてましたねぇ。レコード会社に暗いからっていう理由でお蔵入りされかけたとか。それが今では彼の代表作ですよ。純文学のようなモノクロームの映画のような、暗くて美しい世界観。死ぬまで聴き続けるだろうなぁと思う名作です。

AppleMusic:RyanAdamsHotelChelseaNights

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