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Ron Sexsmith 「Foolproof」

00s

from 「Blue Boy」(2000)

ほんまなんやねんなこの温かみは

アコギを手に弾き語るシンガーソングライターが好きである。もちろんピアノも。その魅力は何かと言うと等身大のリアリティなんだと思う。「歌手のための作曲家」ではなく「自分が感じたことを自分のために曲にする」という行為がもうたまんないよね。

良いシンガーソングライターはさりげないんだわ。さらっとアコギを爪弾いて今思いつきました、みたいな感じで作為がない。嘘で塗り固められた音楽にも存在意義はあるが、ネクラなロッキンボーイズの魂に寄り添うのはこっちだよね!

エド・シーランのようなハイブリッドかませる天才肌はおいといて、実直なスタイルを貫くシンガーソングライター、応援したくなりませんか。なりますよね普通。よしわかった。

そこでロン・セクスミスですよ。まあ地味で不器用で物腰の柔らかいシンガーですわ。渋谷のギャルに尋ねたところで「は?意味わかんないんだけど。」って言われておしまいですわな。

ただ、彼は味わい深い良い歌を書くのだ。そういえばセレブシンガーのマイケル・ブーブレもロンと「Whatever it takes」デュエットしとったな。なかなかええセンスしとるやんブーブレ。

素朴でどこか物哀しいフォーク系楽曲が中心のロン。そんな彼が特大ホームランを放ったのがジャズボーカル風の傑作「Foolproof」だ。チェット・ベイカーから甘い部分だけを抽出したような、優しく切ないセンチメンタルジャーニービギンズなのである。

無駄を削ぎ落としたミニマムアレンジなのにこの温かみはなんやねんと。ほんまなんやねんなこの温かみは。お前はクリスマスの暖炉の前かと。

ロンもいつにもましてさりげなく歌いよる。このイデアのメロディをさりげなく演奏しちゃうところよね。だから売れないんだよ君は。そしてオレに愛されるんだよ。最高にカッコいいぜ。

こういう曲をオレたちロッキンボーイズが平成から令和に受け継いでいかなあかんねんな…と心に誓った3度目の春。

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