凡人が努力して良いバンドになった例
音楽には作り手の性格が出る
音楽ってその人の性格が出るなって思うんです。当たり前といえば当たり前ですが。やっぱり音楽は作曲者の生まれ育ったその環境、歴史、思想、すべてがぶち込まれていると思うわけですよ。
性格なんかすぐわかっちゃう。例えば「絶対こいつ部屋キレイやろ部門」第一位はダントツでThe Strokesですよね。あの理路整然とした無駄のない音像。物が少なくてオシャレな部屋なのは間違いないですわな。
逆に「こいつの部屋には絶対泊まりたくねぇ部門」ではピート・ドハーティさんが先日殿堂入りされたのは記憶に新しいですね。布団ちゃんと干してるんですかね。いろいろ心配は尽きません。「リア充の権化」部門のThe 1975さんも殿堂入りが既に決まっているようです。
そのほか「カレー食べる前にスプーンをコップの水で濡らすん何でなん?」部門、「お前、なんかApple Watchだけ浮いてるぞ」部門などローリングサンダーアウォードは多岐に渡りますが、今回とりあげる部門はこちらです。
真面目さだけで生徒会とかに選ばれるタイプ
それでは「お前小心者のくせに真面目ってだけで学級委員とか生徒会とかに選ばれたりするタイプやろ」部門の発表です。
ジャジャーン!Phantom Planetさんです!
ということで受賞記念に彼らの代表作「California」のレビューをお届けします・・・
「California」をThe O.C(古い)で知った方も多いだろう。あのピアノのイントロを聴くたびに数々のオレンジカウンティな日々が蘇ります…ちなみに私は第一話しか観てませんが。一回聴いただけで覚えてしまう、これをイデア界のメロディといわずして何と言おうか。Geogea On My Mind のように州の公式ソングにすべきではないか。
「California」生徒会長気質の到達点
そう、この曲こそ「生徒会気質」のPhantom Planetの到達点であり。お行儀がよくポップなサウンド、ナイーブ、安定感。これらの生徒会気質的特徴を最大限まで高めたのが「California」だと思うのだ。
アルバム「The Guest」全体にいえるのが、突き抜けた感動はないが、グッとくるポイントは必ず用意されていること。また、ストレートなコード進行かと思わせといて、ひねりを加えるところがまた優等生なのだ。曲作りのテクニックを最大限に活用して作り上げた楽曲たちがこのアルバムには収録されている。
超人の壁を超えられないジェロニモ
各曲のクオリティは粒ぞろいだ。しかし「キン肉マン」のジェロニモの如く、超人の壁は超えられないでいることも確か。どのグッドメロディも想定内の出来事なのだ。違和感がまったくない。ここに天才と努力した凡人の差が表れているような気がする。
しかし、我々オーディナリーピーポーを代表してメジャーデビューしただけでなく、「California」というヒット曲までだした彼ら。希望の星である。例えばWeezerがいくらメガネに冴えないルックスだとはいえ、楽曲のキレは半端ないわけで、そういう意味ではリヴァースの超人強度は軽く1000万パワーを超えるのである。
優等生の道を踏み出した瞬間がなぜかボートラに
ただ、彼らが優等生の道を踏み外した瞬間が記録されている。それはアルバム「The Guest」のボーナストラックの「The Guest(live)」である。アルバムタイトルトラックにもかかわらずボーナストラック扱い。しかもライブバージョン。なんでやねん。さらにこの曲がアルバム中最高にエモーショナルな名曲だということ。両親(プロデューサー)から必死に学校に通うこと(アルバムに入れること)を懇願されただろうが、良い子ちゃんを演じることに疲れ切った彼らが示したささやかな抵抗だったに違いない。
コレ、サブスクで同バージョンないんだよぁ。こういうところ不便だったりするよね。
Phantom Planet、田舎に帰省した際の同窓会にいそう。学生の時にすげぇ真面目で優秀だったのに、意外と出世もしていない友人。それくらい親近感のあるバンドだ。
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