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Mansun「Stripper Vicar 」

90s

from「Attack of the Grey Lantern 」(1997)

全部サビ

ロッキンボーイズの間で未だにカリスマとして燦然と輝くマンサン。ブリットポップ全盛期の終盤に登場し、その耽美かつ挑戦的な音楽性によりミュージシャンからの支持も厚かった。しかし、彼らがデビューした当時、わたしはまったくその創造性に気づくことができなかった。むしろ、CDを購入したことを後悔すらしていたのだ。

たしか「オアシスの再来」みたいなことが帯に書いてあったか売り出し方がそんな感じだった気がする。オアシスから洋楽に入ったわたしはテレビで「Stripper Vicar」のPVを観て気に入り、「次はこれか!と思い購入した。

しかし…アルバムのオープニングは全然ロックっぽくないストリングス全開のインスト。アルバム全体的にどこか耽美な雰囲気に包まれており、まだグラムロックに免疫がなかったわたしは「なんか…なんか違う!!」と戦力外通告をしたことを覚えている。

その後、トム・ヨークも影響を受けたと公言するプログレッシブな名作「SIX」により再びわたしの中で注目のバンドとなったのであった。2003年に解散するも、フロントマンのポール・ドレイパーはソロアーティストとして2017年に「Spooky Action」をリリースし、そのクオリティはキャリア史上最強とオレの中で話題に。

そんで、最近改めて聴きなおしてたら、「あ、やっぱStripper Vicarってスゲえ曲だな」って思ったの。今となっては珍しいウキウキした曲調に、サービス精神全開の曲構成。なんつーか、この曲「全部サビ」なのよ。

ハッピーなAメロからもう盛り上がってるし、Bメロで一旦引いてCメロでもっかい盛り上がるのかと思ったら、急にメロディに緊張感が走る「ラァーアィアーィアーァ〜」に切り替わる瞬間がカッコええ。そして最後にオチをつけるかのように歪んだギターが切り込んでクライマックスの「カモン!」である。

別の曲を繋げたんじゃないかというくらいのめくるめく展開にエンターテイメント性全開のプログレやん。「SIX」の混沌としたプログレワールドの原型はすでにここにあったのだ。ただ、こちらはちゃんと大衆性を兼ね備えた高性能なポップソングに仕上がっている点が素晴らしいのよ。この感じをポールが再現してくれるとは思えないから、今日も「Stripper Vicar」を聴くのである。

ラァーアィアーィアーァ〜…カモン!!

Apple Music: MansunStripper Vicar

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