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Courtney Barnett 「Pedestrian at Best」

10s

from「Sometimes I Sit and Think, and Sometimes I Just Sit」

ニルヴァーナ×ボブ・ディラン

航空会社が空でもWi-Fi使えます!ってCMしてるけど実際は遅すぎて使いもんになりませんでしたけどそれを前面に出してアピールするのって良くないと思うロリング君です。

わたしはボーカルにすんげぇこだわる。いやホントにこだわるのよ。ロックで言うならば、声の質ではなく、思いっきり声を出せるかどうか。お前は「ギュワァアアア」って全力のシャウトが出来るのかと。ロックバンドをやっているからには思い切って声を出すんだろう。ロックとは抑えきれない感情を吐き出すことに他ならないからだ。

その裏返しで、許せないボーカル、それが、フニャフニャしとるボーカルなのよ。シャウトもできず音程も不安定でうまいのか下手なのかわかんないようなボーカルっているやん?パンク系によくいるやん?やさぐれてる雰囲気出してるやつ。UKにいがちやん?そら誰もがクリス・コーネルみたいに歌えとは言いませんやん。でも声に芯がないやつぁいかん。

フニャフニャボーカルのアーティストが全て嫌いかというともちろんそうではないし、シャウトが出来てもハードロックの男臭いボーカルは苦手だったりするし、好きな音楽を声だけで判断してるわけではない。しかし、ロックの快感を突き詰めるとボーカルコントロールはとてもとても重要な要素なのだ。

そんな中、歌い方はフニャフニャしてるのに、声がめちゃくちゃカッコいい、というレアなアーティストがいる。その名もコートニー・バーネット。オーストラリア出身で左利きのギタリストでありシンガーでもある。彼女の声が実に素晴らしい。

デビュー作「Sometimes I Sit and Think, and Sometimes I Just Sit」に収録された「Pedestrian at Best」はそんな彼女の個性が爆発した傑作。斬れ味抜群で規則正しいリフと自由奔放なコートニー氏のボーカルの組み合わせが最高にクールなのだ。ボブ・ディランの「Subterranean Homesick Blues」を想起させる投げやりなボーカルと、安定感のある頼もしいボーカルを両立させたハイブリッドシンガーなのである。

これが簡単そうでなかなか難しくて、ボーカルのテクニックがありすぎるとディランのような自由さが逆に失われると思うのだ。コートニー氏はそこを見事にクリアしていて、スリリングさと安定感を同時に表現できている。

彼女の音楽を例えるならニルヴァーナ×ボブ・ディランだろうか。ニルヴァーナほどヘビーではないが、退廃的な曲調や音楽に対するメンタリティは近いのではないか。

と、思ってたんだけど、続くセカンドアルバム「Tell Me How You Really Feel」ではその独創性が少々後退した感が否めなかった。決して曲のクオリティが低いというわけではないんだけど、普通に歌っちゃってるというか笑 あのスリリングな歌はどこへいったのか…

というわけで今後も期待しとるでコートニー!

Apple Music: Courtney Barnett Pedestrian at Best

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