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Aqualung 「Easier To Lie 」

00s

from「Still Life」(2003)

ロックマニアな連中のダメなところってさ、「普通のイイ歌」の楽しみ方を知らないところなんだよねぇ。あいつらって実験的だったりアバンギャルドなところを評価する傾向があるんよね。そのくせ、ビートルズみたいなビッグネームだと、王道バラードでも崇めちゃったりしてさ。あーほんと腹立つわぁ。まあそもそもロックマニアなヤツなんて最近いねぇけどな!

さて、「普通のイイ歌」って何でイイのか。それは当サイトの基本理念である”イデアのメロディ”を”イデアのメロディ”のまま聴き手に届けようとしているからである。素朴なイイ歌は刺激こそ少ないかもしれないが、代わりに誰もが持っている美しい心を思い出させてくれるのだ。

逆に、前衛的なアーティストというのは、つかみとったメロディをそのままストレートに表現することに飽きてしまった人たちであり、それをどう崩すかに注力している。崩し方の美学である。そうであるが故に、それを受け取る側にもある程度のスキルを要求する。結果、聴き手を選ぶということになる。

音楽に詳しくなってくると「普通の歌なんかつまんねぇぜ」というスタンスに立ってしまいがちだが、それはむしろ音楽の良さの本質を忘れてしまっているのと同じである。ピカソは実は写実的な絵を描かせてもめちゃくちゃ上手いってのと同じね。素朴にイイ歌を楽しむ感性を失ってはいけないと思うのよ。

というわけでAqualungの「Easier To Lie」を久しぶりに聴いたらやっぱりエエ歌やなぁとなったのよ。イントロなしでいきなり歌い始めちゃうところに自信が現れてるね。優しいメロディが壮大なスケールに広がっていくのがたまんねぇし、ドラマティックなアレンジを施しながらも、3分ちょいで潔くあっさり終わる構成にもすごーく好感が持てる。こんなステキなメロディ、オレだったら嬉しくなって6分くらいまで引き伸ばしちゃう。

もちろん、普通にイイ歌を聴かせるアーティストが無敵かというとそうでもない。アルバム単位で聴いたら同じような曲ばっかりで結構退屈になりがち。だからといって変に攻めた曲調でこられると「いやいや無理すんなよ」って感じにもなりかねない。実際、Aqualungの「Still Life」も全曲通して聴くと結構退屈な曲が収録されている(でもイイ曲他にもあるのよ!)。

そう考えると、色んなジャンルの音楽にハマってきたアーティストが普通のイイ曲を歌うってのが最強なんだなって思う。ジェフ・バックリーとかスパークルホースとかエリオット・スミスのことね、はいはい。あぁ全員…

Apple Music: Aqualung Easier To Lie

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