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Sharon Van Etten「No One’s Easy To Love」

10s

ローラ・ニーロmeetsパティ・スミス

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「誰々に似てる」とか言っちゃうオッさん

先日「オッさんになると新しい音楽は受け入れられなくなる」ことについて考察を行ったところだが、自分の守備範囲の音楽性を持った若いアーティストならばオッさんでも無理なく聴くことができる。

しかし、その時に注意しなければいけないことは、「これ誰々みたいやん!」と言ってしまうこと。

オッさん同士で「せやなせやな、これは誰々っぽいよな」って言ってる分にはいいが、ヤング世代に向かって「これは誰々の影響を受けてるんだよ」とか言っちゃうともうダサいよね。

とても良い形容が見つかったから言っちゃう

さて、そんなこんなで先日見つけたシンガーソングライター、Sharon Van Ettenが良い。

これがね、とても良い形容が見つかっちゃったから言わせてもらうが、「ローラ・ニーロmeetsパティ・スミス」なのだ。もうオッさんだから形容してもええやろ。ダサいと思われてもいい。わかりやすいから。

名前からしてヨーロッパ系かと思わせておいて、アメリカのニュージャージー州出身とのこと(若手かと思ったら1981年生まれということで結構ベテランやね)。

ハイブリッドな音作りに成功

彼女の魅力はクールで力強いロックな歌声とフォーキーで抑揚のあるメロディ。さらに、サウンドも単にアコギを持ってバンドを従えて…というよくあるパターンではなく、打ち込みやシンセを駆使した広がりのある音作りに成功している。
過去作を聴いてみると、元からエレクトロニックなサウンドを目指していたわけでもないようだ。しかも結構暗い。デビュー盤なんか森田童子かよっていうくらい暗い。

それが今作「Remind Me Tommorow」ではハイブリッドなサウンドに進化しているではないか。歌声も深みを増している。1980年あたりのポストパンクというかニューウェーブの感触に近い。なのにメロディはしっかりしててフォーキー。

久々に貫禄のある女性ボーカリスト登場

わたしが最もハートを掴まれたのが「No One’s Easy To Love」。インダストリアルなバックトラックに気だるく堂々としたボーカルに引き込まれる。久々に貫禄のある女性ボーカルに出会った気がする。

サビで切ないメロディにグッとくるんだけど、続くメロディは「このまま甘いだけでは終わらない」という意志が感じられるクールな展開なのだ。芯の強さを垣間見れる素晴らしいサビである。

一気に既存のものを飛び越えるアーティストもいるが、新しい要素を組み合わせることで生まれ変わるアーティストもいるんやね。

Remind Me Tomorrow

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