from「Out Of Vain」(2003)
切なウキウキ部門第1位
みなさんにとって「洋楽感」とは何だろうか。「洋楽感」ってそもそも何って?そらぁアレよ。「あー!!これぞ洋楽って感じぃいい!!」っつって居ても立っても居らんなくなるやつよ。オレ、今洋楽聴いてるなぁって思わせてくれるやつね。
やっぱ日本人にとっての洋楽感って実は凄い大事だと思うの。ボーダレス社会とか洋邦の垣根なんか関係ないじゃんとかいう人たちが増えている昨今、わたしにとって洋楽とは非日常を味わうための重要なツールでもあるのだ。
日本より何歩も先を行く欧米の文化にずっと憧れを持っていた。洋楽痛なら誰だってそうだろう。洋を知るが故に和の良さが見えてくるということもあるし、洋楽感を求めることはなんら不自然ではない。むしろ、東洋人の顔して西洋人のふりしてるヤツらのほうがおかしいっしょ。
そして、「洋楽感」にもオシャレ部門やヘドバン部門など様々なDHCアウォードが用意されているが、わたしの中で「切なウキウキ部門第1位」がこのThird Eye Blind!
大味なアメリカンロックと思われがちな彼ら、実は「切ないのにウキウキさせる」という相反する要素をまとめ上げる名手。
そんな彼らの真骨頂が「Blinded(When I See You)」なのである。Aメロはクリーントーンのジャカジャカギターでラップ、サビは歪んだギターの壁で泣きのメロディ。いつものパターンだとわかっていながら素直に全力で受け入れるオレの健気さ第1位や。
人気のピークが過ぎた頃にリリースされた楽曲だけど、個人的には一番好きな楽曲といってもいいくらいの完成度だし、当時コアなファンは喜んだんじゃないかなぁと思う。
彼らの音は歪んで分厚かったりするんだけど、ロックバンドというよりはポップよりで、エンターテインメント性へのこだわりを強く感じる。イントロに戻る前のゴリゴリアレンジとかうまいなぁと思うし、サビはとことん盛り上げたるでぇ感も嬉しい。
ただ、そうはいってもソングライターのスティーブン・ジェンキンスのセンチメンタルな個人的事情が楽曲の原動力になっていることは間違いない。いや、事情は知らんけどこんな切ないメロディテクニックだけで書けるわけない。心をさらけ出して作曲をしている。
オレが1つだけ知っている事情といえば、栗山千明の1stアルバムにスティーブンが楽曲提供しているということくらいだわ。あと、「Blinded」にはネットで流出?していた別バージョンがあって、そっちはもうちょっと歌詞がシンプルというかすごくメロディにしっくりくるバージョンだったのに、アルバムに収録されたのはこっちだった。ちょっと言葉を強引に詰め込んでるところがあるので、シンプルバージョンもボーナストラックでいいからリリースしてほしいものである。
嵐の中でみた第一回フジロックに出演していたサードアイブラインド、確か「Semi-Charmed Life」がブレイクし始めた頃で、すげぇ荒かったけど勢いと自信に満ち溢れたスティーブンの歌声は今でも覚えている。
その頃からわたしにとって「定期的に聴きたくなる部門」の常連である。
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