from「Version」(2017)
ローリングサンダーダイアリーを主催しているロリング君のすごいところは、好きなものがはっきりしているところだなと思うわけです。音楽が好きで、イデアのメロディを感じさせる音楽が好きで、文章を書いてそれを伝えたいと思っていて。
僕なんかもう40年以上も生きているけれど、興味のあるものがたくさんありながらも、これが好きだ!と力強く言えなかったりするわけです。ニワカなんでね。
音楽もいろいろ聴いてきたけれど、好きなジャンルもめちゃくちゃだし、好きなアーティストを聞かれても好みが散漫すぎてすぐに答えられなかったり。
大江健三郎がノーベル文学賞を受賞したときに「日本人はあいまいだ」みたいなスピーチをしていたと思うんだけれども、それをよく思い出して「俺は平均的な日本人にありがちな曖昧な野郎なんだなぁ」と思ったりしています。
自分の好きなものを相手にうまく伝えるってのは、大げさに言うとすごい技術で、自分のことを理解もしていて、コミュニケーション能力の高さをあらわしていたりするのかもしれないですね。
ここでようやく本題に入るわけだけれども、最近、おぼろげにまとまってきた僕が好きな音楽のいちカテゴリに「昔懐かしい感じの音楽」というのがあるみたいです。
「感じ」という、あいまいなクッションが入っているのは、リアルに古い音楽だけじゃなくて、若いアーティストがやっているそっち系の音楽も含めておきたいからです。「イデアのメロディ」みたいな表現を当てはめるとすれば「エバーグリーンな感じ」とでもいえばいいのでしょうか。
最近ヘビーローテーションしているのがエイミー・ワインハウスの「Valerie」。正確に言うとエイミーの曲ではなく、オリジナルはズートンズというロックバンドのもので、2006年かな、リリースされたのは。
この曲のすごいところは・・・「エバーグリーンな感じ」(笑)。特筆して語るところが見当たらないんですよね。コードは3コードとまでは言わないけれど、リアルに5つしか使ってないし、歌詞もサビなんかは女の名前を連呼しているだけ。だけどどうしようもなく惹かれてしまうのはなぜなんだろう?
僕は「昔懐かしい感じの音楽」を聴いていると、世の中がこれから発展していくワクワク感みたいなのが感じられる・・・ような気がするんです。今はまだ発展途上だけど、これから楽しいことが待っているんじゃないか、みたいな。限りなくシンプルで、ちょっとやるせないながらもポジティブな空気。
そういうものが「昔懐かしい感じの音楽」の中にたくさん含まれている気がするのです。もちろんね、すべてがそういうわけではなく、「昔の音楽」にはこれから音楽を発展させるんだ、新しい音楽を発明するんだ、みたいなピリピリした実験的な空気を感じさせるものも多いんだけれども。
どうですかね、おんなじように感じる人、いませんかね?
コメント
メロイック松森さん
あいまいさなら私も負けませぬ、よんきーと申します。
正しくエバーグリーンなメロディ、底辺にいい意味での楽観性が流れているてすよねぇ。
それにしてもエイミーの「エエエェ~♪」は最高ですね。
久しぶりにエイミーさんを聴きました。
ありがとうございます。
よんきーさん
コメントありがとうございます。
ロリング君も喜んでいることでしょう。
アメリカで産業革命と足並みを合わせていたころのジャジーな音楽なんかにエバーグリーンを感じることが多いかもですね、僕は(๐ ́꒪̐ꈊ͒꒪̐)ꐳ
[…] 【投稿作品】Mark Ronson「Valerie feat. Amy Winehouse」by メロイック松森 に mogumogu より […]