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【人生で最も聴いたアルバム】第5位Weezer「Pinkerton」

90s
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圧倒的異質感

Weezerの大抵のアルバムって、結構気楽な感じで聴けますやん。何曲かめっちゃポップでいい感じの曲が入ってて、「おー今回は4曲もいいの入ってるやん、ラッキー」みたいな。

しかし、このPinkertonだけは様相がまったく異なる。音の感触から演奏の気合い、メロディの弾み方、リヴァースの声の張りに至るまで圧倒的異質感っ…!!

面白い?のが、このアルバム、リリース当時は大ヒットした1stアルバムとは対照的に大ゴケしたという事実。確か1stが400万枚で2ndのPinkertonが25万枚しか売れていなかったとか。2016年にようやくプラチナアルバム(100万枚)に到達したとのこと。

これだけの名曲を抱えていながらどうやったらコケられんねんと。答えは簡単ですね。シングルカット問題ですよ。

洋楽アホか事件簿「シングルカット問題」

洋楽アホか事件簿”の一つに挙げられるPinkertonにおけるシングルカット問題は本当に大事件だった。

アルバムで唯一、たった一つだけの駄曲El Scorcho 」を先行シングルに選ぶなんて…あえてそこ選ぶ!?「Good Life」でええないか、「Across the Sea」でええやないか…ってね…

誰がなんと言おうと「El Scorcho」は退屈な曲である。「えーわたしはキライじゃないよぉ」とか渋谷のギャルに言われようと関係ねぇ。お遊びのような一曲を、ブレイク後の大事な一発目に選ぶなんてどうかしてるぜリヴァースよ。

とはいうもののこのアルバム自体「日本人の女の子からもらった手紙の匂いを嗅いで舐めたりしてる」とか、歌詞の内容からしてぶっ飛んでる曲が多いので、ブレイクして精神的に病んでたんやろなぁ。

シングルカット問題がなければもうちょっと商業的な評価は違っていたのではないか。そう感じています。

グロくてポップな名作「Pinkerton」

さて、そんな問題作「Pinkerton」、そのぶっ飛んだ内容や音の生々しさ、苦悩の現れ具合からすると、ニルヴァーナの「In Utero」に近いと感じています。音の奥行きというか空間の伝わり方も似てる。

しかし、その生々しさとは対照的にメロディはポップが弾けまくってて、慣れるにつれてとてつもない快感が押し寄せてくるのだ。とっつきにくいけど、ハマったらどのアルバムよりも気持ち良い。そんな作品どす。

Pinkertonが売れなかったせいで、3rd以降はパーソナルな楽曲を封印してしまうのだが、このグロテスクポップロックの快感を覚えてしまった人は、物足りなく感じていることでしょう。

オープニングの「Tired Of Sex」は最初は「なんじゃこの乱暴な曲は」って感じでピンと来ていなかったんだけど、今となってはもうテンション爆上げ定番曲みたいになってます。

ヘヴィなリフに乗せてリヴァースがシャウトするなんてほかじゃ聴けないでしょ。
改めてじっくり聴いてみると、アルバムのクライマックス「Across The Sea」や「The Good Life」への繋ぎ的役割だと思っていた「No Other One」や「Why Bother」の斬新さに気付いちゃったりする。

「No Other One」演歌ばりの情念

No Other One」ってすごないですか。強弱の付け方が極端で、タメにためて叩きつけるようなドラムとか、演歌ばり情念のこもったメロディとか、コーラスのハモリかたとかめっちゃエモーショナルやん(「エモい」は使わないポリシー)。イントロもギターがグチャグチャに絡み合って、こんな始まりかた外で聴いたことある?

情念を込めた重めのサウンドからの「Why Bother」への流れが完璧よね。坂道を転がり落ちるようなスピード感よ。そして気づいたら2分で終わっているという潔さ。

ドラマチックな目玉「Across the Sea」

で、やっぱりこの作品の目玉は「Across The Sea」なんですわ。短めの曲で構成されていることもあって、4分33秒が超大作に聴こえてしまう。構成もドラマチックで、ピアノとリコーダーのイントロから徐々に熱を帯びていく演奏にゾクゾクしないロックファンなどいるのだろうかいやいないだろう。

ラスサビ前の「How I need a hand mine to feel〜」がハモリも含めてスリリングで毎回昇天しまう(つーかこのアルバム、ハモリがカッコいい曲多い)。
ラストの弾き語り「Butterfly」もバンドで演ったら余裕でシングルカットできるくらいのメロディ持ってるよね。

コレがもし大ヒットしていたら、もっと内面をさらけ出すグロテスクポップロック路線が聴けたかもしれないと思うとちょっともったいないなぁと思うわけですよ。

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コメント

  1. yurix5 5 より:

    ふふふ。私は最初からNo other oneのすごさに気付いていましたよ。pinkertonの中で一番好きかもしれません。

    これほどまでに『情けない男』を表現したイントロ、ありますか?他に。
    そして、「ボクの彼女は嘘つき」で始まる歌詞。完璧ですっ!

    演歌ばり情念なメロディとありますが、リヴァースの中には日本好きな何かがこの頃からあるんだなと感じています。奥さん日本人なだけに。

    • Rolling より:

      yurix55さん
      ありがとうございます!おぉ最初から気づいていたとはさすがですね!

      わたしは勢いに圧倒されて大事な名曲の細部にまで
      思いを馳せることができておりませんでした。

      奥さん日本人だわ日本語でアルバム出すわパフューム好きだわ
      アメリカでも第一線の活躍している人が日本びいきって嬉しいですね。
      ジョンメイヤー然り。

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